空に叫ぶ愛
なんてことを考えながらボーッと歩いていたのがいけなかった。
……ううん。
運命に導かれるように
君に、出逢った…――――
「あっ……ぶない!!」
「えっ?」
――キキィ…!
そのブレーキの音と共に自転車と男の子が私に突っ込んで来る。
咄嗟に目を瞑った私はそのまま勢いよく尻もちをつき、転倒してしまった。
「いっ、たぁー…」
立とうとすると足に激痛が走った。
思わず顔を歪ませる。
どうやら、足をひねってしまったようだ。
……ついてない。
「いたたたた……大丈夫?」
「だっ、大丈夫…」
自転車で突っ込んで来た男の子を見上げながら私は言った。
金髪……
こんな田舎に髪を金にする人なんていたんだ……
彼の第一印象はそれだった。
それにそれほど高くない鼻は筋が通っていて、
髪はサラサラの蜂蜜のような金髪、
目はパッチリ二重でキリッとしつつ
たれ目で瞳が真っ黒で綺麗。
可愛いけど、かっこいい顔?
きっと都会にいたら女の子が放っておかないタイプだと思う。
「大丈夫じゃないやろ…」
「大丈夫。…ほら、立てるし」
そう言って無理やり立ち上がると再び足に激痛が走った。
……のは、なんとか誤魔化した。