猫になって君にキスをして

背中の毛がざわっと逆立った。

ピンヒールに収められた小麦色の足を伝い、視線を上に移してみる。


「にゃにゃ!」(おお!)


見えた。

Vゾーンに、パンツだ。


ラッキー。

猫、ラッキー。


こうして堂々とパンツを眺めることが出来るんなら、

このまま猫でいてもいいんじゃね?


……って、オレは呆れるほどのアホだ。

なんでアホかって、また鼻血が出たからだ。


左前足でそれをぬぐった。

右前足に加え、左前足までも赤く染まった。


「にゃ…」(なんだこれ…)


オレは、

白い、しっぽの先が黒い、両前足が赤い猫になってしまった。

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