With ~一緒に~

でも、片岡君は殴りはしなかった。


そのままの姿勢で、言葉を探しているみたいだった。


きっと、いろんな思いが渦巻いて、ちゃんと言葉にならないんだ。



片岡君はブルブル震える拳をゆっくり開き、真崎君を放した。


フーーーッと大きく肩で息をつくと、片岡君は真崎君に言った。


「今日から俺が生徒会長だ。
帳簿はきっちり調べさせてもらう。

会計の安田から聞いた。
サッカー部の部活費を去年より増やす約束で、名前だけ貸したって。
実際の会計は、おまえが全部一人でやってたそうじゃないか、直人」


真崎君はうなだれて黙ったままだ。

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