六年一組、本紛失事件
 昼休みが終わり、教室には理々が本を読んでいた。

「これ」

 子吉沢は理々の本をさし出した。

「あっ、見つかったのか? 誰だ犯人は?」

 理々はきつい口調で言った。

「どこにあったの?」

 ひとみもすぐに気づき子吉沢の発言を注目している。

「校庭に落ちていた」

 子吉沢は本当のことを言うのをやめた。犯人とかその言葉を聞くのも嫌だからである。

「何だよそれ、校庭に落ちていたなら、きれいじゃないか。もっと汚れてないとおかしいぞ!」

 理々の言っていることは正論である。
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