俺様保健医の甘い罠《fin.》


ウチ、何飲んだんやろ……?



ぼーっとする頭で、手にしているグラスを見つめる。



うーん、サイダー……?



「冬姫?」



すぐ近くで発されているはずなのに、どこか遠くに聞こえる久世の声。



「おや?それは、お酒だよ」



ウチからグラスを取り上げて、クイッと一口飲んだ雨宮センセが言う。



お酒……。やから、頭がぼーっとするわけだ……。



「まぁ、少ししか飲んでいないから大丈夫」



そう言って笑う雨宮センセ。



大丈夫な気がせんのやけど……。


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