君と一緒に幸せを探して。
「わぁ~。広い。」


真希は着いたとたんいきなり声を出した。


「まぁそんなもんじゃない。」


俺たちは地面に腰を下ろした。


「俺。今日人生初でさぼるかも。」


「え...。ご、ごめんね。」


「いいのいいの。さぼりたい気分だったし。」


「そっか。」


「うん。」


ここで会話が途切れた。


なんか話しづらいとかじゃなくて。話さなくてもお互い二人で居るだけでいい。


そんな感じだった。


まだ蝉の声も聞こえない。聞こえるのはただ風の音だけ。


いつの間にか散っていた。桜の花びら。寂しそうな桜の木。


そんな光景が目に入る。
< 61 / 101 >

この作品をシェア

pagetop