恋をはじめます。

キーンコーン…

「おぃ、さくら　帰んぞ」

ドッキーン!!

きたー!!!!

「ははははぃっ!!」

軽くフライング気味の返事。

…その時

「は～?　何言ってんのォ?!　葵と山本サンが一緒に下校?」

ドクンッ

「葵～　朝、あたしの事断ったのは　こいつと帰るからぁ?」

「…ッ」

やばぃ!　泣いたら終わりだ…!!

「オレはぁ～　さくらと帰りてぇの」

平沢クン…!!

「とか言ってホントは脅されてるんじゃないのォ～?　葵ぃ」

「おめぇらなんかと帰るより、さくらと帰る方が楽しいし～」

ドキっ!!　不謹慎だけど、平沢クンが私をかばってくれてるのが嬉しい…。


「じゃ、つ～ことでぇ♪」

グイッ

…!?

「きゃっ」

なんか…手が暖かい…?

ってんん!?

手…繋いでる!?

「きゃー!!　葵ぃー!!」

「ッ　山本ざけんなよ!!!」

ブンッ


「ッ!　さくら伏せろ!」

「ぇ!?」

グイッ

「きゃっ!!」

ガコンッ!!!!

…何!?　イス…?

「あっぶねーなこのヤロー!!」

平沢クン…?

「や…わざとじゃ…」

「わざとだろーが!!」

ビクッ

平沢クン…こんなに怖かったっけ!?


「2度とオレらに関わんな」

グイッ

「行くぞさくら」

「え!?」

やっぱわたしって不謹慎…。

こんな状況でも平沢クンに恋してることがバレバレ。

ダメだな～…。