不器用な君等の唄へ



私の目の前で、流星の腕を掴む女───


「…お姉ちゃん。」

私も人間。

怒る時はある。

流星も流星だけど。

「流星を強引に連れまわすのやめて。」

「別に良いじゃない?減るもんじゃないし。」

減りますよ、色んなものが減っていきますよ。


私の怒りのバロメーターが振り切れるまでの時間とか。


そんな私を無視して、また歩きだす。

…一体、どこに向かっているのか検討もつかない。





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