Wissenschaft vs. die Magie
その問いかけに私達はハッとした。

「そ、そうよ。ここは国際科学研究所。私達はその研究員よ」

このイケメン君、ここの事を知っている?

ますますただの人間である可能性が高い。

顔には出さないものの、実験の失敗による落胆が心の中にじんわりと広がってくる。

でも…待って。

彼はここの事を『旧世界の』研究施設って言った。

旧世界って何?

「…なんと」

イケメン君は尚もケージの中と外を興味深そうに眺める。

「もしや俺は、この大仰な機械で召喚されたのか…我が世界とは召喚一つとっても違うな…全く。相変わらず旧世界という奴は…」

その物言いで、ますます彼の素性が怪しくなってきた。

もしかしたら…。

「ねぇ」

一縷の可能性にかけて、私は問いかける。

「貴方の名を聞かせてもらっていいかしら?」

「…失礼、女性に対して名乗りもしていなかったな」

銀髪のイケメン君は、姿勢を正して私の方に向き直った。

「ルドルフ・クラインリーゼ・リリアという。新世界…この旧世界から見れば異なる世界から召喚されて馳せ参じた」

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