Wissenschaft vs. die Magie
まぁただの人間といっても、服装や派手な髪の色は、この世界ではなかなかお目にかかれないものだ。

おまけにちょっとイケメンだしね…。

こんなハンサム君が召喚できたのなら、個人的な趣味としては文句ない。

だけど研究者としては問題がある。

莫大な資金と設備機材、優秀なスタッフを費やして、召喚したのがただのイケメン一人でしたでは済まされない。

私の研究は遊びでやっているのではないのだ。

「まさか…時空転移実験は失敗…?」

「棗ちゃんの発明が失敗したって言うのか?」

私に全幅の信頼を置いているスタッフ達の間からも、動揺の声が上がる。

と。

「つかぬ事を訊くが」

くぐもった声が聞こえた。

それは誰あろう、強化アクリル製ケージの中にいるイケメン君の声だった。

「ここは旧世界の研究施設か何かか?」

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