月と境界線

手紙

[手紙なんて書くのは何年ぶりだろう、お前とも最後に会ったのは半年以上も前になるか、お前が急に家を飛び出したあの日からだったな。お前の居場所はすぐにわかったし何度か会いに行ったんだがな、どうも嫌われていたらしい、今回ばかりはどうしても会って話がしたかったんだが会えないだろうと思っていたので手紙を書く事にした。今お父さんはある場所で人体実験の研究を任されている、そこでいま進められているのは意思のクローンだ言わばマインドコントロールのようなもので、フランスは完全な意思の統一国家を作ろうとしている、思想や哲学、意思、意思レベル能力レベルに至るまで統一された国家を作ろうとしているんだ、父さんは反対だ、このままだと近いうちに実験過程に日本を選ぶのは間違いない、まずは大人たち、そして子供たちと、もうどうすることも出来ないんだ。
お前に渡したい物がある、会えないか?10日後、時間は取らせないよまたそっちに行く]

一方的な内容だった、そして理解し難い内容、ただもうすぐ何かが起ころうとしている、10日後の9月7日その日を境に・・・
< 3 / 5 >

この作品をシェア

pagetop