奈良の都の妖しい話
その日の夜、元東宮、孝春親王は僅かな供を連れ、縁のある寺へと行ってしまった。

(紗々殿は…伝えたのかしら…。でもどちらにせよ紗々殿の子は……なんと哀れな……。宮様も…一度は東宮になられたのに…まだ二十になる前に花の盛りをこうして………。)

< 164 / 291 >

この作品をシェア

pagetop