蒼色のヴァンピール
「は、い?」
一瞬、言われたことの意味が分からなくて、俺が惚けた返事をすると、兎南はもう一度言った。
「だから、その『都会のヴァンパイア』の取材に、私も参加させてほしいの。ダメ?」
「いや、ダメってことはないと思うけど…」
「いいじゃん、兎南さんが行きたいって言うなら連れてってやれば?鳥井に頼んでやれよ」
兎南に好かれたいのか、安堂が横からそう後押しをする。
「ね、お願い!!」
「あー、じゃあとりあえず話はしてみるけど…」
俺がそう答えると、兎南は嬉しそうに笑った。
「ありがとう。それじゃあ、放課後よろしくね」
そのうち始業のベルが鳴って、兎南も安堂も俺も、慌てて席に戻った。
それにしても、何で兎南は取材に参加したいなんて言い出したんだろう。
退屈な授業を受けながら、俺はずっとそんなことを考えていた。