雪花-YUKIBANA-

割り箸をそっとジャガイモに押し当ててみた。


ほんのわずかな力で箸は沈み、

ふたつに割れた部分から、ふわっと白い湯気が立った。


そっと口に運んでみる。


「……すっごく美味しい」


箸を下ろすのも忘れて、僕は言った。


「中華も美味しかったけど、これは格別ですよ」

「ほんとですか?」


店長の顔にパッと喜色が浮かぶ。


「ええ、お世辞抜きで本当に美味しいです」


興味をそそられたコバも一口食べて、


「うめぇ!」


と声を上げた。


「そう言ってもらえて嬉しいです!実はお客さんに出すの、初めてだったんですよ。
あ、よかったら他のも味見してみてください!」


店長はいそいそと厨房に走って行ったかと思うと、
新しい皿をふたつ持って戻ってきた。


「これ、カボチャの煮物と、茄子田楽です」


――え?


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