雪花-YUKIBANA-
待ち時間は長く感じるというけれど、
僕の日々は意外にも急ぎ足で過ぎてゆく。
秋は日に日に深まっている。
いつの間にか僕は22歳になり、誕生日から数日過ぎたところで、やっとそのことに気づく。
一年前のバースデーがあまりに素敵すぎたから、
ひとりで歳なんかとらない気がしてた。
けれど、日々は過ぎる。
ふたりきりのパーティーを思い出す。
テーブルいっぱいに並んだ料理。
手作りケーキにチョコで書いた、いびつな文字。
少し音程の外れた歌声。
そのすべてを心に描いて、僕はショートケーキを頬張った。
甘い香りは彼女の存在を、狂おしいほど甦らせた。
どうしようもなく桜子に会いたい。
つぶれるくらいに抱きしめて、キスをしたい。
言葉にならない想いを体中で伝えたい。
もしもそれが、
堕罪へと続く道だったとしても。
そんな僕の日々に、変化は突然おとずれた。