あの頃にまた…
寛鍛は光が泣いてる理由はあえて聞かずにいた。

寛鍛と光は立ち上がった。

寛鍛「それで、何で呼び出したの?」と優しく聞くと、
「なんか泣いちゃってごめん…実は映画の券があるんだけど…」と小さく言う。

寛鍛はちょっぴりドキドキした。

寛鍛「何で俺なの?」と聞き返す。

光は小さく深呼吸しながら先ほどよりも更に小さな声で
「もし…うちの事ちょっとでも思ってるなら少しでも恋に発展するなら一緒に映画に行って下さい…後、返事はいつになってもいいからうちと…つ―――――――。」
途中で快速電車が来て光の途中の言葉がもみ消された。

しかし寛鍛は光の言葉をわかっていた。

声ではわからないが確かに口が
「付き合って下さい」と言っていた。

電車の音が響く中寛は迷っていた。

実は寛鍛は前にも二人彼女が出来てたが結局遊ばれて捨てられた過去があったのだ。

その過去のせいで寛鍛は遊ばれ捨てられたショックで女と付き合うという事に少しトラウマを持っていた。

寛鍛は光の事がすでに好きだ。しかし付き合うと損をしそうという怖さもある悩み答えが出て光を見つめた瞬間と共に電車が過ぎ去る。

「いつになるかわからない…答えを出せるかも分からない…」

寛鍛は重い口調で喋りながら光に近づく。

「でも、こんな俺の返事をちゃんと待ってくれるなら…。」
と言い光の映画のチケットを手に取り、
「行こう、一緒に!」
寛鍛は満えんの笑顔で笑って答えた。

光はその答えを聞いてニコッと優しく微笑んだ。
光の笑顔を見て俺は初めて会った時のような天使の笑顔を思い出した。

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