歴史の星空に飛び込んで
「じゃあ桃ちゃんのところすぐ行くんだ?」
「そーだね、温かいうちに」
聞いて平助は歩くのをやめた
沖田もつられてピタリととまる。少し後ろにいる平助を振り返ると、平助は肩を竦めて笑っていた。
「ちょっと壬生寺行って来ます」
「?わかった。先帰りますね?」
「うん」
なんで?とは聞かずに沖田は先を見た。
平助は歩いて行く沖田を少し見送って、なんとなくで言った壬生寺に向かう。
壬生寺は屯所である八木邸のすぐ近くにあって、道は一本
履き潰した草履でお寺の石畳みを踏むと、どんどん門をくぐっていった。