歴史の星空に飛び込んで
聞いたのに、沖田さんはしばらく何も答えなかった。
沈黙が重い。
ていうかいる?沖田さん?
「…………んなっ」
沈黙に負けて顔を上げると、沖田さんは優しく笑って私を見ていた。
まるで山南さんみたいだ。
「待ってたら顔をあげてくれると思って」
つまり一本とられたわけだ。むかつく。
沖田さんは私の頬をぐちゃぐちゃとにする涙を親指で拭って
いつものように首を傾げた。
「武士というのはそんなものです」
その笑顔に山南さんが、久坂さんがうつって
私は視線をそらした。
みんなみんな、最期は自分の誠を通して死んでしまうんだ。