サクラ咲ク
「有難うございます。私の家は母しかいなかったので・・・」
そこまで言ってハッとして口を噤む。
山南さんは私が男だと思っている。
この時代、男の子って家の手伝いなんてきっとしない。
男は外、女は中。
そんな思想が溢れかえる時代だったから。
オカシイと、思われたかしら?
「そうか・・・母上も大層喜ばれた事だろうね。若いのに、悠希くんはよくできた子だ。」
山南さんは疑うことなんてしないでそう言った。
その言葉が純粋に嬉しくて、頬が緩む。
山南さんは近藤さんとはまた違った安心感がある。
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