サクラ咲ク


悠希へ。―――――――

今、貴方の事を考えながらこの手紙を書いています。

貴女は生まれてきた時、私の腕にすっぽりと収まるような小さな小さな体だったのに、

私がいなきゃ、生きていけない小さくて無力な生き物だったのに、


気がつけばいつの間にか、

こんなにも大きくなっていました。


お母さん、貴方を産めて幸せ。


貴方が、一人で生きていけるぐらい立派に成長してくれて、幸せ。


こんな事になって本当にごめんなさい。



だけど、諦められなかった。
貴方を手放すのは辛いけど、
諦めるのはもっと辛いの。

酷い母親でごめんね。
こんなお母さんだけど、


どうか嫌わないでね。



貴方が幸せに生きていくことを、誰より祈っています。




――――お母さんより。







.
< 2 / 247 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop