しましま介護日記!
私の介護記録始まり〜始まり〜!
私が勤めるこの市は、狭い市だが、お年寄りが多くお金もちの旧家が多い。一軒家が多く、文化アパートが少なくなってきている。
私がまず踏み入れたのは、一軒家のAさん宅だ。インターホンを押すが返事がなく、仕方ないので「おじゃまします。」と声をかけてドアを開ける。鍵もかかっていない。簡単に入ることができた。ドアを開けた瞬間、異臭が漂う。なんともいえない悪臭だ。すぐに、その悪臭の原因がわかる。玄関は広く、靴が何足も出されている。あたり一面、動物の毛が落ちている。恐ろしいくらいの量だ。私が入るのを躊躇していると、家の住人?が現れる。白いはずの毛が茶色く汚れた猫だ。それも、一匹ではない、2、3匹出てきた。そう、私のヘルパーとしての初めての訪問先は、猫屋敷だった。
途方にくれそうだが、玄関でじっとしている訳にもいかず、携帯スリッパを履いて中へと進んだ。奥の台所に、うずくまった老人がいる。
「こんにちは。Aさん!新しく担当になりました、島です!よろしくお願いします!」私は元気よく挨拶をした。Aさんはゆっくり動き出し、立ち上がった。髪は短くボサボサにみえる。目は大きいが、窪んでいる。猫背になり背中が変形しているようだった。細い小柄のおばあさんだった。「前のヘルパーさんがよかったのに、、まぁ、いいわ。掃除して。」無愛想にもほどがあるが、かちーんとくるような事を開口一番いってきた。腹がたつがしかたない、私は新人だ。わかりました、と返事をして、田中さんに聞いていたとうりに、掃除機を取り出し、掃除を始めた。なんと、Aさん独り暮しだが、部屋数は5LDKだ。おまけに猫は総勢7匹いることがわかった。訪問先の滞在時間は二時間。気が遠くなりそうだ。掃除機をいくらかけても、猫の毛は取れず、猫の糞尿があちらこちらにあった。滞在時間二時間のうち、掃除だけではない、買い物もしなければいけない。時間ぎりぎりまで掃除をして、Aさんに買い物はありますか?と尋ねると「パン買ってきて。駅向こうのラッキーって店の、バターパンしかダメだから!」と静かに返事がきた。、、、私は介護福祉士だ。そして、新人ヘルパーだ。私はいったい、今、何をしているのだろう。
< 2 / 2 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

もう一度の恋

総文字数/1,471

恋愛(その他)3ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop