聖なる光【完結】
「光、」拓真の低い声で名前を呼ばれるといつも緊張する。
「大丈夫か?お前はほんと隙ありすぎなんだよ。ってか普通変だと思って着いていかねぇだろ?」
「だって、だって」
私は拓真がいなかったら絶対、三浦先輩にキスされてた。
私のファーストキスとられるとこだった。そう思うと急に怖くなって涙が溢れてきた。
「おい、光っっ」
拓真は私が泣き出したから焦って抱きしめてくれた。
「俺がバスケの試合誘ったからだな。ごめんな?」私は違うよという思いで拓真に抱きついた。
少し泣き止んで私から拓真に話しかけた。
「拓真ありがとう」拓真は落ち着いた私をみて安心したようだ。
「もうあんなやつのこと引っ掛かるなよ」
「うん。」
「お前はなんで素直にノコノコとくるんだよ」拓真がため息をつく。
「あのね、」
私は聖矢との出来事を話した。あの手紙が聖矢だと勘違いしたこと。拓真は黙って話を聞いてくれた。