聖なる光【完結】

私は美優に一生懸命伝えているが言葉にならなかった。美優は何も言わず私が泣き止むまでずっと側にいてくれた。

15分くらい私は泣き続けた。泣き止んだあと、さっき起こった出来事を美優に話した。

「聖矢くんきっと気が動転してたんやね」

聖矢は今、どぉなってるんだろう。
やっぱり気になって仕方ない聖矢のこと。

「美優、ちょっと私、ここで考え事していい?」

美優は笑顔で「いいよ」と言ってくれた。
美優は私の肩をポンポンとして体育館に入っていった。

それと同時に前に、聖矢と仲がいい徳原祥太郎くんがいた。

付き合い始めてから聖矢が紹介してくれた。徳原くんと聖矢は高校からの仲で陸上部で一緒になってから意気投合したという。

「徳原くん…」
「藍川、大丈夫か?」
私を気にしてくれてるようだ。
「大丈夫だよ。ありがとう。それより…徳原くんここ…」
私は自分の唇をさした。

徳原くんの唇から血が少し出ていた。
徳原くんは咄嗟に唇を押さえた。
「あっ、気にしなくていい」
徳原くんは私と目を反らした。

もしかしてと私の脳裏で過った。

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