異世界プリンセス
宝石みたいなシャンデリアが大きすぎて、落ちてこないか心配です。

「初めまして。
スタッドの兄、ステイ・ナイトリバーです」
「あ、ハイッ。えと…、ルルコです」
わかりやすいようにと、下の名前のみ名乗ってみる。

スタッド王子より若干長く、肩の上で揺れる髪、優しい物腰――。

彼の方が王子様だ。

心の中で正直な感想を述べてしまう。

食卓には、彼とあたしとスタッド王子、そしてメイドや執事ら数名だ。

「まず始めに、君に言っておかなければいけない事がある」

優しい笑みから、突然、表情をかたくしたステイ王子。

「こちらの勝手な都合で、君の生活を奪い、ここに呼んだ事、本当に済まない」

真摯な瞳が、あたしをとらえる。

なんて誠実な人なんだろう。

知らない場所に来て、初めての安心を得たような気がした。

「弟のスタッドから少し聞いているかもしれないが、私の方から、順を追って話すね。
どうぞ、食べながら聞いてくれ」

言われてあたしは、おずおずと、料理に手をつけ始めた。
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