ボスを継いだ少女
9. 情報
私は『神山ミコト』に決闘を挑んだ。



これは『神山ミコト』と『W』の勝負だ。



世界と戦う千人以上の部下の頂点に立ち、世界を導く者として『神山ミコト』の力量を知るためだ。



この勝負に負けたのならば、全てのことを認めるしかない。





「いやだ…」





人の決意を無視した答えに苛立ちが募る。





「僕は戦いたくない」


「これから世界と戦う『超越者』さんが何を言っているの」


「僕は…辻本とは戦いたくないんだ」


「…」


「それはナナミだってそうだ」





私のイライラが頂点に達してしまいそうだ。


何かあるとすぐにナナミを出してきた。


それを聞くのが嫌だ。





「それじゃあ、今までの話はナシね」


「ちょっと待て」


「マサ、あなたたちの話は全て『神山ミコト』が中心の話でしょ。
彼の力をこの目で見るまでは賛成しないわ」


「それじゃあ困るんだ」


「私は困らない」





部屋に沈黙が流れた。


順調な話が一気に止まってしまったからだろう。








「それなら、ミコト。アカネと戦ってくれ」
< 28 / 102 >

この作品をシェア

pagetop