ボスを継いだ少女
ヨシトはただ座っていた。









意外と不真面目そうで話しかけられないと真面目な人に見えた。








「お待たせ」








「よう、アカネ」









私はため息をしてソファーに座った。








「話って何」


「明後日の集会。俺も参加させてもらう。
それでアカネの許可を貰いに来た」


「そう、どうして来るの」


「心配だからさ」


「ありがとう。気持ちだけ受け取っておく。
でもそれは約束できない。
私はあなたを信用していない。
それが理由よ」


「そうか。それなら、参加はしない。
見張りに俺を使ってくれ」


「どうして、そこまで明後日の集会にこだわるの」


「…」


「理由を話してくれるまでは許可しない」


「理由はある。俺はお前を守りたい。それだけだ」







私はまたため息をした。







こいつはどうしたのだろう。







いきなりプロポーズはするし、協力をしたいと言う。







だからこいつといるが嫌いなんだ。








『こんな奴と出会ったことで酷い目にあったことが何度もある』けどここまで面倒を起こしてくるのは初めてだ。








「わかったわ」






どうせ断っても来るだろう。









それなら監視できる範囲に置いておこうと決めた。








「私の部下と一緒に警備をしてもらう。それでいい」








「ありがとう」










ヨシトは帰宅した。









それから二日が経ち、集会の日になった。
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