50代のビキニ

その2

素晴らしい字が書けたのだ。

書き終わると手が震えた。

とても、自分が書いたとは思えない。

神様が私に乗り移って書かせてくれたのだ。

これは、私の字じゃない。
もし、私の字ならもう一度同じ字が書ける筈だ。


一瞬、迷った。
けれど、私は破いた。

素晴らしく上手く書けた半紙を破いたのだ。

さぁ、もう一度、神様じゃない自分の字を書こう。


それが、何度書いても…
虚しくも、悲しくも
二度と同じ字が書けなかった。

私は、へとへとになった。

あの幻の習字で、もしかしたら段が取れたかもしれないのに!!

神の神切(しんせつ)をムダにした私。


その後、二度と段を取るチャンスは巡ってこなかった。


あぁー 神様ー


カムバーック!!
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