カクテル・ドリーム〜それぞれの道〜
「オレンジ・ブロッサムってジンベースのカクテルがあるよね?それと何か関係あるのかな?」


「私、あの悲しそうな顔が頭から離れなくて‥。」


私は切なさに胸が痛くなって俯いた。


「‥オレンジ・ブロッサムが創作されたのは、一説ではアメリカで禁酒法時代に「これはジュースだ」と言って飲んでたっていうのがあるんだけど。」


黙って話を聞いていたサトシくんがゆっくりと話出した。


「この栞を作った人は、オレンジ・ブロッサムに特別な思いを込めていたらしい。」


サトシくんは優しい眼差しで栞を見つめた。


あ‥またあの優しい顔‥。


前にも見たことのあるサトシくんの表情にドキッとしつつ、私はサトシくんの話を聞いた。
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