カクテル・ドリーム〜それぞれの道〜
「俺は康介さんのカクテル飲んで、一流のバーテンダーを目指そうって思った。」


そう言って、サトシくんは台所にあるボトル棚を眺めた。


「康介さんのカクテルって不思議な力があるだろ?」


「だから俺も‥幸せな気持ちになれる、人に勇気を与える‥そんなカクテルを作ってやるって思ったんだ。」


サトシくんは少しフラついた足取りで台所に向かった。


私の瞳からはボロボロ涙がこぼれていた。


サトシくんはそんな過去を背負いながら、あんなにおいしいカクテルを作っていたんだ‥。


私は胸が押しつぶされそうだった。
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