1985
蝉の鳴き声がうるさくなった頃に俺は同じ部員の奴に

「あの子好きな子おるか聞き出してくれん?」

と頼んだ。そいつはその子の友達の幼馴染みだった。

「タク夏は喉乾くなぁ!」

近所の駄菓子屋でコーラを買ってあげ契約成立となった。

2、3日たったぐらいにそいつが俺の元に来て、

「タク、残念ながら彼氏がおるらしい!」

ショックを隠しきれない俺は衝撃の事実を聞かされる

「心して聞け。しかも相手はうちのキャプテンや!」

めっちゃ身近な人やないかと思いながら諦めを決意した。

が、本当の不幸はここから始まった。

その子に彼氏がいることを知っていたツレの幼馴染みは俺が好きな事をその子のに言ったらしい。

次の日の昼休みに俺の教室に彼女はやって来た!

「遠回しにウジウジ聞くなや!気持悪いねん。」

と廊下に響き渡るぐらいの声で俺を怒鳴った。

性格が悪いと噂が流れていたがそんなことはないと信じてた俺にその言葉は深く突き刺さった!

告白もしていないのに俺はフラレた。

その日の部活が終ってからキャプテンに呼び出された。

俺は優しくて人望が厚いキャプテンを尊敬していた。

そのキャプテンから衝撃の言葉が放たれた。

「タク、お前俺の女に手だしとうらしいやんけ!いらんことすんなや。」

と言われ3発ほど殴られた。

かなりショックだった。

その日以来部活の時間が大嫌いになった。

体と心がボロボロになった夏の失恋だった。

それ以来女の子が苦手になった。
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