言葉にならないコトバを
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「で?どうなったのよ」
昨日のカラオケからの帰り道の様子をあたしに聞く真里。
「どうって…。あっ。名前教えてもらった。風って言うんだって」
「んもう!そんなんどうでもいい!どうやってばいばいしたの?」
「えっと…。送ってくれて…。アドレス交換した…。てか無理やり?」
ありえないという顔をしている真里。
あたしだってそんなことをするとは思わなかった。
あの後
あいつ…
風は優しくあたしの頭をなでてくれてた。
あたしはたいちゃんと風を重ねてさらに泣いた。
「そろそろ帰りませんか?」
風がいう。
気づけば夜の9時30分。
まずい…
「そ…だね。ありがと。ばいばい」
「なに言ってんの?送るに決まってんじゃん。俺男の子だよ?」
はぁ?
あたしは一歩さがった。
「いや…。迷惑じゃん!」
「大丈夫。俺の名前は風。おまえわ?」
「……中山…千佳。」
「ふーん。風って呼んで?てか呼べ!これ強制。千佳ってよぶし」
はぁ?
なに言ってんの?
言いたかったけど
言えなかった。
だって風の顔をみていると思い出すから…
たいちゃん…を…