王子と姫が出会いました。
もちろんあたしの腕を引っ張ってレジへ…。



「なんで俺が全部支払いだよ…」

「あたし出しますっ!!」

「いらねぇ」



そう言って会計を済ませた王子君はまたあたしの手を引いて店の外に出た。



強制的な感じだ…。



「どこに向かってるんですか!?」

「昼間からラブホ」

「えっ!?」

「今すぐふたりになりてぇ」



その言葉にドキドキして変な汗が出てくる…。



それきりなにも言わなくなった王子君はあたしを本当にラブホに連れて来た。



初めて入ったラブホ…。



ドアが閉まり、変に緊張してる…。



やっぱりスルために来たのかな…。



今日は撮影だったから下着はカワイイけど…。



ヤダな…。



慣れた手つきでネクタイを外した王子君は手招きであたしを呼んだ。



「やっぱり振り回されてる。会ったら好きだって気持ち、ヤバイくらい出て来るし」

「へっ…?」

「ムシャクシャして…壊してやりたい…」



えっ…?



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