王子と姫が出会いました。
優しかったし、浮気はきっと本当に寂しさからだと思う…。



でもいくら愛情を注がれても、あたしはコウ先輩を受け入れられない…。



ダメなんです…。



「俺は姫が好きだよ…。潔くねぇってのもわかってる…」



コウ先輩が話してる途中、王子君が横に来て体がベッドに沈んだ。



耳に電話を当ててるのは王子君の手で…。



それをハンズフリーにして近くに置いた。



「まだ時間もらえねぇかな…」



コウ先輩がそう言った瞬間、あたしの唇は王子君に塞がれてた。



久しぶりのキス…。



「姫…?聞いてる?」



その声で唇を話した王子君は真っすぐあたしを見つめた。



『答えろ』と言わんばかりの顔で睨まれ…。



「先輩…別れたい…」

「どうしたらいい?イヤだ…」

「約束しましっ…んっ…」

「姫?」



喋らせてくれない…。



手に自由がないから退かすこともできなくて…。



ハンズフリーを解除した王子君は自分の耳に携帯を当てた。



< 637 / 701 >

この作品をシェア

pagetop