王子と姫が出会いました。
抵抗してもムダだと思ったのはすぐのこと。



ネクタイでまとめられた手は解いてもらえなくて。



「外してっ…」

「ヤダ。いなくなる」

「いなくなんない!!王子君に触れないっ…」

「…………触りたい?俺が好き?」



若干脅迫じみてることは気にしない。



だってあたしは王子君に触りたいから…。



コクコク頷くと、やっと手が自由になった。



「絶対俺以外見たらダメ。次に他のヤツにキスなんかされたら…本気で監禁しちゃうから」

「んっ…わかっ…た」

「好き、姫…好き…」



あたしはそこまで愛されるようないい女じゃない…。



たくさん傷つけて辛い思いさせた…。



「王子君…待って…」

「なに?」

「ごめんね…」

「そんな謝罪じゃ全然足んない。これからもそばにいてくんなきゃ…」

「いる…そばに…」



そのまま王子君によって溶かされた。



もう頭働かない…。



王子君にくっついて、ただボーッとした…。



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