王子と姫が出会いました。
言葉通り、その日スーツのままやって来た王子君は自分が満足するまであたしを食べた。



それはもう死ぬかと思うくらい…。



「構ってやれなくてごめんな?開発部の手伝いで忙しいんだ」

「開発って美容系の?」

「そうそう、大手製薬会社、商談まで持ち込めたし」

「営業みたいなこともしてるんですね…」

「俺、なんでも屋みてぇだな…」



大変そう…。



あたしには未知の世界。



やっぱり王子君は王子様タイプなんだね。



「ワガママ言ってごめんなさい…」

「ううん、俺も姫に会いたかったから」

「優しいですね…」

「仕事には慣れたか?」



さらに大人になったような王子君はいつもあたしの先を行く。



この人はきっとすご~く出来る男になるでしょう。



あたしなんかが彼女でいいんだろうか…。



「卒業したら姫、もらうから」

「へっ…?」

「時間はたっぷりあんだから先のこと、考えとけよ?」



これは…プロポーズなのですか!?



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