あたしと彼と白いキャンバス
鉄の扉がギイィと軋む。

不意を突かれて驚いたあたしたちの前に立ったのは、



篠宮千里だった。




不機嫌を丸出しにしたような表情をして、あたしたちを見る。

女の子たちに向けていた微笑みはどこに消たんだろう。


「こんなところでなにしてる?」


冷たい声。

静かな低音なのに鼓膜がびりびり震えた。


「授業サボってんだけどー?」


答えた新太郎先輩の声は緩く、篠宮先輩とは対照的だった。
< 181 / 321 >

この作品をシェア

pagetop