あたしと彼と白いキャンバス
「小早川さんも?」


硝子玉みたいな黒い瞳がすっと流れて、あたしを見据える。


「し、篠宮先輩には関係ないじゃないですか。大体なんでここに…」


あたしは新太郎先輩の後ろに隠れるようにしながら答えた。

篠宮先輩の米神の辺りがぴくりと戦慄く。



「俺が登校してきたときから、君は新太郎と屋上にいただろう?

で、俺を見てた」



…気づかれてた。


あたしは無意識に手を握りこんだ。

悔しい。悔しい。悔しい。
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