あたしと彼と白いキャンバス
「うるせえっ」




あたしは声を荒げた。

ビリビリと空気が振動して、

背後からあたしの肩を掴んだ女の手がビクッと戦慄いた。



「志乃がいい子ぶってるって?」



言いながら、目の前の茶髪をさらに引っ張る。

マスカラを塗った女の目がじんわりと赤くなっていく。


「い、いたい…」


痛みを訴える声は震えていた。

でもそんなこと知るか。



「お前ら本当に志乃の友達かよ。志乃のそばにいるくせして、なんでそんなことが言えるんだよ!」
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