あたしと彼と白いキャンバス
「ゆ、結ちゃ…」

「はいはい、そこまで」


志乃の小さな呟きに、新太郎先輩の声が割り込んだ。

大きな手があたしの腕を掴み、茶髪女から引き剥がす。



「女の子が乱暴なことすんじゃねーの。もっちろんイジメもダメ」



新太郎先輩はあたしを羽交い絞めにして、身構える女子たちを見回した。




「せっかく可愛いネイルして綺麗にメイクしてんのに、汚いことやってたらもったいないだろ?」



教育番組のお兄さんを思い起こさせる口調だった。

責めるのでも諭すのでもない、
ただ優しく語りかける声。
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