あたしと彼と白いキャンバス
「可愛くなろうって努力してる女の子は可愛いよ。ものすごく。

でも、イジメなんかやってたら周りからの評価が落ちんじゃん?

だからさ。そーいうのもったいねーよ」




新太郎先輩の言葉は不思議だ。

いつも心にするりと入り込み、炎を消して氷を溶かす。


「気づいてんだろ? 自分たちでも。こんなこと無意味だって」


女子たちは俯き、唇を噛んで押し黙ってしまった。

握り締めていた拳が少しずつ力を失って、身体の両脇に落とされる。


「どうせするなら、もっと楽しいことしたほうがいいって。そーいう女の子のほうが可愛いんだからさ」



新太郎先輩の言葉に共鳴するように、あたしたちを包む空気が変化していく。
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