あたしと彼と白いキャンバス
「こっちだってビックリですよ。篠宮先輩が料理するなんて」

「化学の実験と同じだよ。手順通りに作業するだけ」


…化学実験の感覚でできた料理って、どうなんだろう。



「ほら。冷めるから食べて」

「あ、はい」




味噌汁も鮭もレトルトやコンビニ弁当と比べるとちょっと薄味で、でもそれが調度よかった。

食べるとほわんと身体の中があったかくなる。


手料理ってこんなに美味しかったっけ。



「どうかな?」

「美味しい…です」

「よし」
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