あたしと彼と白いキャンバス
「恥ずかしいな」

「え?」

「恥ずかしいくらいに感情が込められている。まるで君の絵みたいに」


先輩の白い頬がほんのりと赤く染まる。

口元には笑み。



そんな表情を見られる人間はきっと本当に少なくて、あたしは運良くそれが見られたけれど。

その絵に込められた優しい気持ちははるな先生へのもので、あたしにはなんの関係もない。



嬉しいのか悲しいのか、あたしの心が混乱している。


「……絵を、」


篠宮先輩は小さく呟きを漏らし、絵から目を離した。
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