ある日モテ期がやってきた!!~愛されすぎてどうしよう~


キャーキャー騒いでる女の子たちに圧倒され、青山はまったく動けない。


「何あれ? どうしたの?」

「あ、犬飼くん」


平然と教室に入ってきた犬飼くんが、不思議そうに見る。


「……なんか、みんな青山に惚れたみたい」

「え、なんで?」

「学園祭でのカラオケ大会が原因だと思う……」

「あ、なるほど。 あいつ歌だけは上手いからなぁ」


あはは、と楽しそうに笑う犬飼くん。

女の子たちはそんな犬飼くんのことはチラリとも見ず、青山に夢中だ。


「奈央ちゃんに向けて歌った曲が、凶と出たか」


言いながら、私の真ん前の席に座る。


「ま、俺はそのおかげで奈央ちゃんと普通に話せるけどね」


あ……そう言われるとそうだ。

普段はメールと電話でしかやり取りしてないのに、今の私は、教室で犬飼くんと話してる。


「で、啓介のことだけど」

「あ……うん」

「て言うか、俺たちのこともだけど、今まで通りでいいからね」


ふんわりとした、いつもと同じ笑顔で目の前に居る犬飼くん。
何も無かったかのような顔をする犬飼くんが、私の頭を撫でる。


「いつも通りの奈央ちゃんでいいんだよ」

「え……」

「じゃ、もう行くね。 あの馬鹿のこと、助けてあげなきゃ」


ニコニコ笑いながら、犬飼くんは青山のところへと向かった。


「青山ー、モテモテだねー?」


そんな声に周りのみんなは笑い、女の子たちはより一層騒がしくなる。

そして、女の子に腕を組まれてる青山は、一人で不機嫌そうに眉を寄せていた。


そんな彼らをぼんやりと見つめているうち、授業開始のチャイムが鳴る。


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