ある日モテ期がやってきた!!~愛されすぎてどうしよう~


先生が来たことで、青山はようやく女の子たちから解放され、疲れたような顔で自分の席に戻っていく。

その時、チラリと私を見た青山は、ふっと笑って手を振った。
まるで、犬飼くんと同じように「そのままでいいよ」と言っているかのように。


……私は、私のままでいい。

犬飼くんはそう言ったし、青山もそう思ってるはず。

だけど、本当にそれでいいのかな……。


ブー ブー ブー


ポケットに入れていた携帯が、微かに震える。

メールだ。
差出人は……村雨くん。


【 こちらのアドレスでは初めて送ります。
僕が犬太郎だったこと、黙っててごめんなさい。
でも、これから先も結城さんとやり取り出来たら嬉しいです。 】

……本当に、村雨くんが犬太郎なんだ。

話し方が全然違うから、本人だとわかったあとでも、まだ嘘なんじゃないかって疑ってしまう。


【 村雨くんって、犬太郎とは全然違うよね。 】


なんとなく、そうメールしてみた。……ら、すぐに返事が来た。


【 犬太郎の方がいいですか? 】


……どうなんだろう。

同一人物だとわかっても、まだ 村雨くん=犬太郎 って繋がらない。
二人は別人で、別々に存在しているんじゃないかって思ってしまう。


【 村雨くんは村雨くんで、犬太郎は犬太郎って感じだから、どっちがいいかなんてわからないよ。 】


当然、戸惑いはあるけど……でも、「どちらかだけがいい」なんてことはなくて、村雨くんも犬太郎も、どちらも大切な人には変わりない。


ブー ブー ブー


またメールが届く。


【 僕も同じように思う。
ユウと結城さん、どちらもとても大切だから。 】


……村雨くんは、私と同じことを思っていたみたい。

犬太郎に初めて会った時に「似てるのかも」って思ったけれど、やっぱり犬太郎は……村雨くんは、私と似ている。

それを思ったら、ほんの少しだけ笑顔になることが出来た。


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