ある日モテ期がやってきた!!~愛されすぎてどうしよう~
「な、なんで……!?」
青山が入ってきた方とは別のドアに寄りかかって、こっちを見てる犬飼くん。
その姿勢は急いでやってきた青山とは明らかに違っていて、落ち着き払っている。
まるで、最初からそこに居たかのよう……。
「い、いつからそこに……」
「奈央ちゃんが写真を撮り始めた時から」
「うっ……」
それって、ほとんど最初からじゃん!!
うぅ、全然気付かなかった……。
「犬飼!! お前、見てたくせになんで止めないんだよ!!」
「え、止めた方が良かった?」
「当たり前だろ!!」
「青山は、相変わらず馬鹿の一直線だねぇ」
ふんわり、いつもと同じ優しい顔で笑う犬飼くんは、私たちに近づいてイスに座った。
「俺のことはどうでもいいんだよ!! それより問題なのはこっちだろ!?
好きな奴が他の男にキスされようとしてたら止めるじゃん!!
たとえそれが、啓介だとしてもさっ……!!」
「そりゃあ、俺だって奈央ちゃんのことが好きだから、キスしてる場面なんて見たくないけどね」
「じゃあ、なんで止めなかったんだよ……!!」
苛立つ青山に、犬飼くんはまた笑顔を見せた。
「これで公平になった。 そう思わない?」
「は? 公平?」
「自分の気持ちを隠していた啓介が、奈央ちゃんに想いを伝えた。
これからの勝負、公平なスタートが切れそうじゃん? それに、コレもね」
コレ、と言って、犬飼くんは自分の唇に人差し指をあてた。
それが意味するものは多分、キス……。