絶えぬ想い、君に



でもさ、見られれば見られる程、俺がここにいるのは違うんだって思えてくる。



そりゃ高校生で来てるのは俺だけだし、それはお前が来ても同じだけどさ。



周りの人はわかってないけど、俺はホントに場違いなんだよ。



俺と母ちゃんしか知らないけど、俺らはホントに他人なんだ。



俺の子供も、母ちゃんの子供も、あの幼稚園に通ってない。



今日、母ちゃんが先生に挨拶した時、「この子の母です」って言ったんだ。



隣にいる俺の母だって。



そりゃそうだし、そう言って当たり前だけどさ。



先生は俺と乃亜を親戚だと思ってるから、ホントの兄弟じゃないこと知ってるし。



でもさ、あの場で「乃亜の母です」じゃないんだよ。



そうは言えないんだよ。



そりゃ言う時もあるけど、それは嘘になるんだよ。



俺もめんどくさくて、乃亜のこと妹って言ったこともある。



でもどう言っても嘘になるんだよ。



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