~LOVE GAME~
同一人物…?
ーーあれは、いまから10年前のこと。
今より少し前の季節で、小学校入学してすぐの頃だった。
私はこの街に引っ越して来たばかり。
幼稚園からの友達は当然いなくて……。
引っ込み思案な性格だったから友達も出来ず、初めはいつもひとりぼっちだった。
遊ぶ相手がいなかったので、家に帰るといつも近くの公園でひとりで遊んでいた。
そんなある日。
その公園で友達が出来た。それが……。
“たっくん”
同じ小学校だった。
たっくんはいつもニコニコしていて、とても優しかった。
“かえでちゃん”
どこか甘えるような、可愛らしく優しく私の名前を呼んではニッコリ微笑む。
男の子はガサツで怖かったから、穏やかなたっくんは私にとって特別な男の子だった。
毎日のように、一緒に公園で遊んだ。
私は優しい優しいたっくんが、大好きだった。
いつも気遣ってくれて、怒るなんてことは決してない。
だから……。
だから私はつい、たっくんを怒らせてみようとして意地悪してしまった。
出会ってから数日後。
公園の道路際の大きな木。
そこで二人で木登りをしていた。
でも小柄だったたっくんは登れなくて……。
私はそれを知ってて、先にどんどんと登っていった。
『待ってよ、かえでちゃん!』
たっくんの呼ぶ声。
『待ってよ!』
必死に着いてきたたっくんが、やっと木の真ん中まで登った時。
私は意地悪して、ふざけて木を揺らしたんだ。
そうしたら……。
たっくんは足を滑らせて、道路側に落ちた。
そして、ちょうどやってきた車に轢かれたのだ。