不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
それから数十分歩いて、到着したとこ……
「水族館……?」
全体的に、青い雰囲気で作られている建物。
その建物に、たくさんのイルカや魚が描かれていた。
「そう。水族館」
ニコッと笑った司先輩。
……水族館好きなのかな?
「鈴加、水族館来たことないんだろ?」
「えっ!?」
「夏樹から聞いた」
おそらく夏樹先輩は蘭から聞いたんだな……
「だから初デートはここがいいかな?って……」
「っ……」
つまり、司先輩が水族館を好きなわけじゃなくて……
「あたしが、行きたいと思ったから……」
「ん。……ってもしかして、イヤだったか!?」
あっ、今のあたしの言い方。
誤解招くような言い方だったよね……?
「違いますっ!凄く……凄く嬉しいですっ」
「ふっ。相当水族館来たかったんだな」
そう言って係員の人にチケットを渡し、あたしを中に誘導する。
司先輩……違うよ。
もちろん水族館も楽しみだけど……
それだけじゃなくて、司先輩が……司先輩があたしのことを考えて選んでくれた初デートの場所なんでしょ?
あたしを想って選んでくれたってだけで、あたしは凄く嬉しいっ……