不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~


――ガチャ


「はい……」



ドアを開けてうつ向いていたあたしの目に入った、うちの高校のズボン。



やっぱり智……



「鈴加……?」


「……えっ……司先輩!」



驚きのあまり、ドアノブから手を離さないまま司先輩を見上げた。



「寝てなくて大丈夫なのかよ?」



あっ、あたしが体調悪いって言ったから……



「わざわざ来てくれたんですか?」


「心配だったからさ。ほら、昼休みも……」


「あっ……」


「俺が悪かったよな……」


「い、いえ……。あたしこそ、すみません……」



先輩の靴を見ながら小さく謝った。




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