不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
「ねぇ、鈴加……」
「はい……」
少し低い声が頭上から聞こえる。
「……なんで俺を見ないの?」
「っ……」
ずっと司先輩の顔を見るのを、無意識に避けていた。
何でかわからないけど、先輩の顔が見れない……
見てしまったら、きっとあたしの胸のドロドロがバレてしまう。
優しい司先輩に……醜いあたしがバレてしまう。
ギュッと手を握り合わせ、震えを止める
「鈴加……」
――ビクッ
頬に触れる温かい先輩の手に、体が跳ねた。
「俺、待つから……」
「……」
「鈴加が悩んでること、何でも言って?俺も鈴加が抱えてることを、一緒に抱えたい……」
「っ……」